国家の命運

国家の命運 (新潮新書)。アジア大洋州局長として北朝鮮との交渉にあたったり、外務事務次官を務めた藪中 三十二氏の書籍。

「国家の命運」というタイトルは中身からするといささか誇張しすぎな勘も否めないが、タイトル勝負でもある新書だし、そこはしょうが無いだろう。

中身は外務省で各国との交渉での経験を、交渉術という切り口でまとめられたもの。私自身は外務省に対する印象はマスコミの報道もありあまり好感を持っていなかった。

以前から官公庁は優秀な人間が集まっているのになぜ、あーなるのだろうと漠然と思っていたが、政治とマスメディアがいかに日本のコントロールを行っているのか、という点を感じさせてくれる本。特にメディアの報道一つ、族議員の力次第で日本であれアメリカであれ、交渉が左右されるエピソードは、なるほどなと思わされた。

また、どこかの本でも読んだ気がするが、交渉事は51VS49でまとめるべきという点、相手のペースに飲まれないためにもオフェンスが重要という点は、特に勉強になる。

政治・報道の見方も変わるであろう一冊。

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