信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題 (角川oneテーマ21)
レビューはまだ書けていませんが、中澤佑二 不屈で振り返られているワールドカップとあまりに異なる印象を受けます。
- 最後までチームの主力として信頼を受けた選手と、キャプテンを後退させられた選手
- ポジションも性格も全く異なる二人
というとことからも違いがあるのかもしれませんが、2010南アフリカワールドカップを振り返り、検証したい人は両方読むべきでしょう。
中澤本では監督に対する不満が赤裸々に語られている一方で、遠藤本では大きな信頼が書かれている。
ザースフェーでのミーティングも、中澤本では議論がモメるもトゥーリオの一言でまとまったとなっている一方、遠藤本では攻撃陣と守備陣で意見の対立があって議論がまとまらなかったなど。
まとまっていたのは間違いないチームでも、印象が全く異なるように書かれている点はやはり、両方読んで初めて分かること。
またオシムが評価する遠藤評と、本人がオシムからうけた影響、この双方を比べてみると、語っているポイントはいずれもいかに危険な箇所に入り込んでいくか、ゴールを奪うか、という点を共に挙げている一方で、方やオシムは不足を感じ、方や遠藤は成長を感じで、まだまだ遠藤自身の目線が低いように感じさせる点も面白いです。
日頃、Numberなどでもあまり詳細を語らない遠藤だけに、一冊で読み終えてしまうには、あまりにも勿体無い、新たな事実が読み取れる本です。