「book」カテゴリーアーカイブ

Infrastructure as Code

本書はChefでもAnsibleでもVagrantに関する書籍では無く「Infrastructure as Code」とのことで、ツールの使い方ではなく考え方、ポリシーが余すところなく記載されている。Amazonの説明も以下。目次はこちら

Infrastructure as Codeは自動化、バージョン管理、テスト、継続的インテグレーションといった、ソフトウェア開発のプラクティスをシステム管理に応用するための方法論です。
本書は、はじめにInfrastructure as Codeの原則と考え方を説明し、次にダイナミックインフラストラクチャプラットフォーム、インフラストラクチャ定義ツール、サーバ構成ツール、インフラストラクチャサービスの4つにカテゴライズして解説します。
その上で、プロビジョニングやサーバーテンプレート管理のパターンから、テスト、変更管理パイプライン、組織やワークフローのプラクティスまでを詳述しており、Infrastructure as Codeを網羅的に理解することができます。
各ツールの使い方よりも、背景にあるコンセプトや考え方の説明に重点を置くことで、特定のツールに縛られることなく、Infrastructure as Codeを適切に実現することを目指す本書は、エンジニアおよびマネージャ必読の一冊です。

Infrastructure as Codeを考えていくと、当然ぶつかるカリカリにチューニングされたインフラ〜本書では「構成ドリフト」として紹介されている〜の問題や、構成管理のプロセスの問題など、多数の問題が取り上げられているが、全般に共通するのはサブタイトルにある「クラウドにおけるサーバ管理の原則とプラクティス」〜「クラウドにおける」という枕詞は無くても良いと思う〜、もといその概念。これからサーバが多数増えていく中で、管理者は何をすべきか、何を考えるべきか、という点がもれなく書かれている。

サーバ管理担当は必読であるし、仮にも標準化なんてキーワードを振りかざす立場の人は読んで欲しい。名著。

1984年のUWF

久々に柔らかいネタ。

現在のプロレスや格闘技にまで多大な影響を及ぼしているUWF。新日本プロレスのクーデターをきっかけに、復讐に燃えたアントニオ猪木のマネージャー新間寿が1984年に立ち上げた団体だ。アントニオ猪木、タイガー・マスクこと佐山聡–、新間にとって遺恨はあるが新団体UWFにはふたりの役者がどうしても必要だった。UWF旗揚げに関わる男達の生き様を追うノンフィクション。佐山聡、藤原喜明、前田日明、髙田延彦……、彼らは何を夢見て、何を目指したのか。果たしてUWFとは何だったのか。この作品にタブーはない。筆者の「覚悟」がこの作品を間違いなく骨太なものにしている。

Numberの連載は適宜読んでいて面白かったので、購入。

UWFはリアルタイムでは見ておらず、Uインターの新日との交流戦を見たレベル。ただ、当時はゴング・週プロは毎週読んでいたので、パンクラス・藤原組・リングスが活動していたのも知ってはいた。また、高田延彦の

も読んでいたが、高田延彦✕金子達仁なので、情報は偏り気味。

本書がすごいのは、プロレス書籍にありがちな、当事者へのインタビューを中心とした叙情的な情緒的な偏った記述ではなく、周囲の人間へのインタビューや事実を中心として客観的にUWFを取り上げているところ。また、UWF立ち上げ時の経緯は、「泣き虫」とくらべて明るい。

格闘技かプロレスかの議論はYouTubeでUWFの試合を見れば、佐山聡と高田延彦の蹴りあいを見るだけでも、一目でプロレスとわかるが、それはK-1やPrideなどのリアルファイト(疑惑の試合もそれなりにあるが)があったから。

時代背景を見つつ、当時のビデオを見るのが必要だろう。当時としては夢の大きい団体だったことは間違いない。

技術書2016

ここ1年で買った技術書を整理してみた。

我ながらよく買ってる。しかし身になってない(苦笑。

浦和レッズ変革の四年 ~サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日

読み終えての率直な感想。もう少し、人物に踏み込んで、ノンフィクションのアプローチで突っ込んだインタビューがあると良かった〜。

タイトルの通り、新聞の番記者目線であるので、都度のインタビューが収録・取りまとめられているのは非常に良い。ミシャが来てからの特にトレーニング風景は臨場感があり、かつ選手のコメントが的確に拾えているので、ミシャ就任後の浦和の変化を裏付けるバックデータ本として適当。

ただ、それでもタイトルが取れていないようにラスト・ワン・マイルが見つからない浦和をせっかく書籍として振り返る機会だけに主義・主張がもう少し欲しかった。惜しい!

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

たまには真面目な本を読んで見る。

体育会経験者のメンタルは文系のそれを凌駕する!が持論ですが、その根底を学術的な観点で説明してくれていたのが本書でした。

死にそうな筋トレ、死にそうなシゴキ、炎天下でも水が飲めない、そういった過酷な中で成長した実感があると、辛い中でもこれを乗り越えたら・・・という忍耐力は身につくと思ってたけれども、それは本書で述べられている「ストレスが良いものだ」と思っている人には健康で害が出ていない、という説そのもの。

そもそもストレスが悪いとされたのは、動物実験、それも身体的な苦痛を伴うところからスタートしたものであり、人間が感じる、対人関係などでは無い、という衝撃の紹介に加え、以下の節には驚かされた。

ひとまずは斜め読みしたが、多分何度も読み返すことになろう。

抵抗をやめればストレスはパワーの源になる

ほとんどの人は、プレッシャーのかかる状態ではリラックスするのがいちばんいい、と思っています、しかし(中略)本当はその逆であり(中略)、人生でもっとも重要な試験を控えた学生も、選手生活で最も過酷な競争に挑むアスリートも、ストレスを前向きに捉えることで、自信が強まり、パフォーマンスが向上します。

また、不安を受け入れると、困難にうまく対処できるようになり、体の反応までもが、典型的な「恐怖反応」から「勇気を生み出す反応」へと変化することも見ていきます。

 

マイクロサービスアーキテクチャ

本のサイズはやや小さめ。目次はオライリーのページに明るいが、ひとつのサービスの変遷を15年近く見てきて試行錯誤をしてきた自分としては、考えたことあるテーマが多い。一方で、普通こういう作りに何故するというストレスとの付き合いも多かったので、考えたことが無いメンバーも多いのかもしれない。

そういった中で本書が良いのは、果たして長期間運用してきた中で、感じたストレス、テーマが一冊にまとめられていること。ひとつひとつは、見れば当たり前だよね、というテーマもなかなかつなげてまとめて、指摘できない。

本のテーマで言えば、この難解な名著を分かりやすく書いた形か。

読むべきは、システム全体を考えて設計を始めることができる5〜6年目の若手か。ただ、難しいといって引いてしまいそうなメンバーが多いのが残念だ。

サーバ/インフラエンジニア養成読本 ログ収集〜可視化編 [現場主導のデータ分析環境を構築!] Software Design plus

 

良書でした。

一般的にはログ保管はWEBサイトでは重要かつ全く日の当たらない非機能分野ですが、サーバ台数が増えるに連れて管理は煩雑となり、重要度が高まってきています。

シェルでコテッチャンには限界もあり、商用製品を試してみたこともあれどいまいちでしたが、本書で出会えたfluentdはその不満を一律解決してくれそうです。

ただ、ElasticSearchの記述は設定方法がメインで運用イメージが沸かず。。。

KibanaもElasticSearchの記述運用イメージが乏しかったこともあり、画面出力サンプルは多いものの、具体的にどのように使えるか、という点ではもうひとつ。

この辺りは、他の書籍やWEBを読み込む必要がありそうです。

 

ただ、ログ管理という日の当たらないスポットを語っている数少ない本であること、また、具体的なソリューション(Fluentd+ElasticSerch+Kibana)を一般のエンジニア向けに紹介しているという点では、画期的だと思います。

久々のあたり本!!

 

ガンダムと日本人

ガンダムと日本人 (文春新書)

ガンダムと日本人 (文春新書)

「そう来たか」というのが率直な感想。〜前書きより〜

夢を次々と現実へと変えていった小さな国が30年前に見た、今なお手の届か無いとてつもない空想にして万感の思いが込められた産物。戦後日本の歩みが「機動戦士ガンダム」という一点に収束した過程を追っていくことで、この国の過去と未来への扉を開く。

あくまで語るは日本であり、ガンダムではない。ガンダムはあくまでスパイスであり、日本を語る調味料でしかない。
20年前の歴史の先生が一番欲しかった本では無いだろうか。
個人的には、日本が調味料である事を期待したので、不完全燃焼。日本の歴史であれば、それように書いてもらいたかった。
星ひとつ
★☆☆☆☆

崖っぷち社長の挑戦: 湘南ベルマーレに懸ける夢

資金繰りに関する生々しい話が無いので、正直「崖っぷち」 というキーワードから連想される崖っぷち感は出てこない。

ただ「社長の挑戦」であり「湘南ベルマーレに懸ける夢」は随所に垣間見ることができる。

いかに地元を巻き込んでいくか、Jの理念をどうやって体現していくか、チームの露出は?、自治体との関係は?そういった点はよく読み取れる。

 

ただ、残念かな。内容を織り込み過ぎたというべきか、ひとつひとつのエピソードの内容が薄く、登場人物の紹介も浅く今一つ印象には残らない。。。

企画を推進したスタッフの苦労話、資金繰りをどうやってクリアしていったか、例えば産能大とどうやって関係を気づいていったか、、、etc。具体的なエピソードがもうちょっとほしかった。

 

星2つ ★★☆☆☆

 

崖っぷち社長の挑戦: 湘南ベルマーレに懸ける夢

崖っぷち社長の挑戦: 湘南ベルマーレに懸ける夢

 

 

我が闘争 堀江貴文

 しくじり先生での告知に完全に釣られてしまいました。

フジテレビ買収を振り返り「(放送を)1回で終わらせたいのか!?詳細は本で」何て言うもんだから楽しみにしていたが、フジテレビ買収の件は全くつまらない。。。いろいろな暴露や魑魅魍魎とした世界の記述を楽しみにしていたのに。

堀江本初の丁稚としては、大学時代の描写が非常に面白かった。

東大に入って、麻雀に入り浸り、ベンチャーでの仕事に始まり、オン・ザ・エッヂの立ち上げ、出資にと。

文才?という点ではDeNAの南場さんには譲るものの、入り込まされる。

おそらくホリエモンが一番楽しく充実した時間であったのだろう。

まあ、星3つ。★☆

 

我が闘争 (幻冬舎単行本)

我が闘争 (幻冬舎単行本)