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闘魂三銃士30年―今だから明かす武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也、それぞれの生きざま

プロレスを見始めたのは91年ごろ。中学一年あたりで蝶野がG1初優勝し、三銃士がいよいよスターダムに駆け上がろうとした頃。プロレス人気下落は強かったものの、四天王プロレスと三銃士の対比は学校でも熱い話題のひとつだった。
その後、徐々にK1、PRIDEにシフトして所謂暗黒時代はほとんど見てなかった。
90年代当時はインターネットメディアは今と異なり情報はほぼ無し。そのため情報は週プロなど雑誌のみ。今となってはインターネットの情報も増え、プロレス書籍も増え、蝶野も本を出す時代だが、こと三銃士については過去にこれほどの文量は無い。
武藤、蝶野のロングインタビューは三銃士というライバルのようでユニットのようで腐れ縁のようで、同期でもあり商売敵でもあり、という微妙で絶妙な距離感を浮き彫りにしてくれる。
橋本夫人のインタビューは彼のリング外のエピソードと、一連の小川戦の臭い背景の存在を知らしてくれると。学生時代にたまプラーザでバイトしていた私は寿司屋から安田忠夫と出てきた後、大声で「バルサン買ってこい、バルサンだぞ!」と安田忠夫をパシらせて自分はデカイベンツで待ち、当然コンビニにはバルサンなどなく小さくなって帰って来た安田忠夫を笑い飛ばす高校生のような場面を見たことがあるが、そんなエピソードに事欠かない。
そして何より奥さんの愛が良く伝わる。
この手の本で良く使われる対談や、時系列に沿って三人の物語を混ぜて展開する手法が無く、ただ3つのインタビューを並べるだけなのは残念だが、まあ蝶野と武藤の性格を考慮するとこの構成もありだろう。
オールドファンにはオススメ。欲しい5つ

データ分析が支えるスマホゲーム開発

WebDBPressに似せた装丁w。 正直ターゲットとしている読者が不明。俺のようなSIerのなんちゃってエンジニアに読ませるには章構成は良いもののツッコミが浅い。pythonの教科書でも無いし、fluentdでも無いし、サンプルでシステムができるわけでも無いし。 ログの活用という切り口に興味は強かったので、ちょっと残念。 星はひとつ  ★☆☆☆☆

データ分析が支えるスマホゲーム開発 ~ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿~

データ分析が支えるスマホゲーム開発 ~ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿~

 

 

 

 

成功体験はいらない (PHPビジネス新書)  辻野晃一郎

成功体験はいらない (PHPビジネス新書) 辻野晃一郎

前著、グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれたが面白かったので購入。エッセンスがまとまっていて読みやすく、病院の待ち時間で読破。本書ではGoogleソニーでの職務経験を元にエッセンスが抽出されている。中でもGoogleが掲げる10の真実は初めて耳にしたが印象的。特に「スーツが無くても真剣に仕事ができる」はいかに自分が未熟かを知る一言。また、Googleソニーの例として「天真爛漫」「忙しくてもいつも親切に対応してくれる」「1年もたないと思った激務」といった点は、今の自分を励ましてくれる。

忙しい中でも楽しく仕事をすることがいかに大事かを知らされる。

そして、部下に対して命令ではなくお願いをするというワークスタイルの紹介は、いつも葛藤があるテーマだけに考えさせられた。また日本ではなく海外でビジネスを始めること、という紹介は、中島聡と相通じるものがある。

前著のような生々しいエピソードがないのは非常に残念だが、さらっと読めて良い本。

野心のススメ 林真理子

野心のすすめ (講談社現代新書)

野心のすすめ (講談社現代新書)

久々にほぼ得るものが無い本。なんでベストセラーなのかサッパリ分かりません。林真理子が1日で書いたんじゃない?というほど、ストーリーが薄い。

一箇所だけ共感はあったけどw。

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新聞や雑誌の連載を同時に何本も引き受けた時には、「時間的に無理でしょう、やめなさい」と忠告されたこともありました。けれど、背伸びしないと成長できないときもあるんだと思うんです。無理だと思ってもやる。「自分の実力だとこれくらいの仕事量で、これくらいのスケジュールだ」と枠を決めてやると、絶対に、いまの自分以上には成長できない。

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これって体育会出身者は耳にタコができるほど聞いてると思うのですw。俺も何度どうやって学校の外周を走らされた事か。でもお陰でマラソン大会で

ビジネス書ほど、啓発は無く、人物ノンフィクションとしては断片的で、エッセイにしてもテーマが揺れているし林真理子って何者?って思うと、気まぐれで好奇心旺盛で飽き性なおばちゃんって像しか浮かばない。

でも、直木賞の選考委員でしたっけ?まだまだ俺が未熟なんですかね。

起業家 藤田晋

起業家

起業家

サイバーエージェントって言えば

ネット広告

ベンチャー

カリスマ経営者?

関脇くらいなイメージでした。

若くして名を挙げた経営者だけにエネルギッシュな本かなと期待した。でも。。。

経営者の苦悩が延々と語られてます。

投資家からのプレッシャー

社内のバラバラ感

自転車操業

経営者ってスーパーマンで、モチベーターで、自信家、という自分の偏見をこれでもかって壊してくれます。

ビジネス本では無くノンフィクション本です。間違い無く。

ちょっと目線を変えるのには良いかもしれません。

野獣の怒り ボブサップ

野獣の怒り

野獣の怒り

格闘技、プロレス本はそれなりに読んだ自負はあるし本書に引用されている

言い訳だらけの著書を出して嬉しそうにしている谷川

の本も読んだが、他の本ではほとんど感じられないリアリティがこの本にはある。

新著だが平積みでは無く、ただ本棚に刺さっていただけの本だったが、正直もったいない。センセーショナルな帯を付けて営業すべし!

本書が素晴らしいのは、ただの暴露本では無く格闘家のその後の人生にもスポットを当てている点。

久々に読み応えありました。

さよなら!僕らのソニー

さよなら!僕らのソニー (文春新書)。著者はジャーナリスト。ノスタルジーに溢れるあまり、公平的で客観的な視点に欠ける嫌いもあるが、それこそタイトルに「僕のソニー」と謳う位なのでいやな気はしない。本書を読み終えた際に真っ先に思い浮かんだのは「グーグルで必要なことはすべてソニーが教えてくれた」。本を読み終えた時点で、関連する他の本を読みたいと思わされた時点で及第点。

内容そのものはソニーブランドがいかに滑落をしていったか、ではなく、出井以降の体制に対する批判であり、結果論的な分析にとどまる。確かにおやおやと迷走を思わすリアルタイムな記述も少なくないがブランド戦略に失敗したのはエレキ(技術)軽視と断罪してしまうのは正直軽薄な気もする。

とくにテレビ事業に関するオペレーションの甘さを指摘する部分もあるにはあるが、具体性に乏しく、また、他社を踏まえての分析も無いのでその点は非常に物足りない。ソニー滑落の原因は本書で述べられている、技術者軽視および技術者が会社を去るという点にあるのは間違いないとは思う。ただ、それ以上に、技術者を離脱させてしまうような社内カンパニーの連携不足、iPodと類似する製品ををデザインしつつもソニーミュージックエンターテイメントに気を使い立ちあげられなかった、ことなど、そもそも社内の意識の低下が大きいのだと思う。

そしてそれを経営者の問題、視点だけで切ってしまうのは正直物足りない。むしろ、役員・部長クラスの意識がソニースピリットを失ってしまったことに問題があるのではと思ってる。

そういう意味で第5章の約1.5ページで語られてしまった「25人のプレジデント」。ここをもうちょっと掘り下げて欲しい。また、同時代の他社の分析もあるとなおのこと良いのだろうが、新書にそこまでを求めるのは酷か。

ただ、繰り返しになるが他の本を読みたいと思わせた時点で価値ある一冊。

 

追記:本書を読んでも、どうすればソニーが(この本で言う)ソニーらしい会社でいるのか、は全く分らない。そういう意味で「さよなら!」というタイトルもある意味適切。

采配  落合博満

采配  落合博満 落合博満 采配。今年に入ってからだが本屋で平積みされているのを見て購入。帯にもやられた。「孤独に勝てなければ勝負に勝てない」。孤独という言葉に惹かれた時点で疲れてたのは間違いないw。

読んでみると面白かった。やはり野球本は読み込んでいないだけに万事が新鮮。本を読んでいるときに気になる文があるといつもページの角を折っているが、この本で追った回数は14。かなり多い。以下抜粋。

上司や監督に「嫌われているんじゃないか。」そう考え始めた時は、自身を見る目が曇り始めたサインだと気がついて欲しい。

実力で仕事をつかみとった訳ではなく、けが人が出たことでポジションを取って1軍で出場し、まずまずの結果を残した選手がけが人が戻った後、ポジションを失ったときに思うケースがあることからの一説。

心技体ではなく体技心

これは激しく同感。

ビジネスマンも野球選手も3つの敵、「自分」「相手」「数字」と戦っている。

去年の自分と戦って成績・成長を示すことも重要ですよね。確かに。そして実績を残せば残すほど、自分を変えることが難しくなり自分と場合によっては去年の自分より悪くなるかもしれない。サッカーと違って、数字で明確に表現で来てしまう部分があるスポーツならではと感じます。

ミスは叱らない、手抜きはしかる

以前、目にしたストイコビッチのインタビューと同じイメージ。ストイコビッチはチャレンジしての失敗は叱らないが、チャレンジしないことそのものは叱ると言っていた。これは普段心がけていることだけに、うれしい。

もう紹介するのが面倒になってくるほど良かった本なので、後は買ってくださいw.ただ、以下だけは最後に紹介。

シンプルに伝えようとすると、相手の耳に入りにくい

いや、確かに読んでみればそうですが、このパターンにハマっている気がした一説。確かにテニスをしていたときによく感じた事を思い出したけれども、できる人が使う表現が、シンプルで難しいけれども、習得して初めてその言っている言葉の意味が分かったという体験が多かったです。「腰を入れて打て!」とかね。いくら腰を入れたフォームを指導されても、形だけで腰が使えてないからさっぱり分からなかった。

この本で紹介されている例では、あまりにシンプルな言葉で伝えると、かえって、「誰でも知っているような簡単なことしか言わないな」「それくらい、オレだってわかっているよ」となり耳が塞がり、いくら説明をしても聞いてくれなくなってしまう。聞き手が聞く準備ができるようにすることの大事さを語っている。

仕事を説明する際も同様でポイントを絞って教えるケースはあるが、結構、通じないケースも多い。ポイントを絞っても、それ以上にそのポイントすら難しいケースもあるだろうが、あえて難しい言葉で喋って方が心が開かれるのかもと感じたのは、大きな発見だった。

 

 

決断できない日本

決断できない日本 (文春新書)。「沖縄はゆすりの名人」発言で一躍有名となった国務省元日本部長 ケビン・メアの著書。「自分の名誉のため」という表現で良く出るようにハメられたとのこと。

ハメられたは2章でくわしく書かれているが、本書が伝えているのはマスコミによる情報捜査であり、警察・沖縄県・国による責任転嫁ともとれる姿勢であり、補助金を巡る利権の話であり日本の問題を一側面から、泥臭いまで書かれている。

当事者でない以上、真実は分らないが官僚の責任国家の命運を読んだ人間としては、およそ事実だろうと感じる。ねつ造をした側の反論は読んでいないが、本に記載されている行動からすると弁解の余地は無い。

また、普天間は世界一危険な空港というが、基地問題がある中で事故が起きたがために言われているのは確かにそうだと思うし、農地の中に作った基地の周りに国・県が許可を出して住宅が建設され、やれ危険だ、やれ補助金だ、というのは確かにゆすりだ。(著者はゆすりという表現は一切していないようだが)。

原発の対応を巡っても情報も能力も無いというのは確かにその通りだと思うし、中国の軍拡も正直関心の外であったが問題視する理由が良く分ったし(そりゃ軍拡して何に使うかと言ったら恐喝なり、世界の政治を握るなり、アメリカの立場を奪うなりしかないわな)、日米同盟も知ることができる。

日米関係、沖縄の基地問題を知るにはちょうど良い一冊。お勧めできます。

ミハエル・クルムのレーシング「超」運転術 改訂版

ミハエル・クルムのレーシング「超」運転術 改訂版

いつもと違う本屋に着いて、いつものようにスポーツコーナーをふと眺めて、平積みされた本から書棚に目を移した際に、ビビビと来た本。開いてみてドラテク本なので更にビビビで購入。F1戦略の方程式 世界を制したブリヂストンのF1タイヤ可夢偉が、右京に!は天才ドライバー達の本で凄すぎて分からない点もあるが、これはアマチュアドライバーなり、おいらのようなグランツーリスモの世界だけの一般人にもなじめる内容。本の中に登場してきたF1ではもうひとつぱっとしなかったデ・ラ・ロサはすごく速いドライバーとなっているw。一般人と言えどもあくまでレーシングドライブですが。

内容は、荷重移動に始まり、ライン取り、ブレーキング(含む足技)、セッティング、駆け引きにと一通りは網羅されている印象。ユニークなのは目線。目線でタイムが変わるというから、いつもより目線を先にしてグランツーリスもやったら確かに^^。

あと、ブレーキングはいつもグランツーリスもでやっているブレーキングだったのは、ある意味驚き。ちゃんとしたテクニックなんですね、ゲームなんですねと改めて実感。