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可夢偉が、右京に!

可夢偉が、右京に!

F1好き、といってもミーハー感は否めないが、たまらない一冊。思い返せば初めて見たレースが、鈴木亜久里の3位入賞。当時は小学生だったが、セナ・プロストがスタート直後の1コーナーでクラッシュしたり、日本人が活躍する姿は印象的だった。その後はしばらく見ていたんだが、セナの事故死と共に、疎遠に。ただ、佐藤琢磨がF1に来たことから再び見始める。今は可夢偉を見ているだけでF1を見ているわけではないかもしれないが楽しい。

この本は何よりマニアック。書店で平積みされていたので気づいて購入したものの、第1章のオーバーテイクは良いとして、第2章でタイヤの使い方を延々と語っている。レースを見ているとよく聞く言葉だったけれども、初めて、どういうことか分かった。深すぎる。マニアック。

右京のインタビュー形式という点も、良かったんでしょう。

グランツーリスモを通じて車の知識はかなり身についたとの自負があったけれども、やはり浅いですね。とともに、普段は語られることの無い、ナンバー程度の文字数では語れない、深い話があり、F1というスポーツの奥の深さを教えてくれる一冊。

面白かった。

PS:そういえば、中学生のころに、F1裏話なる文庫本を読んだ事を思い出した。その本は多数のドライバーの独特の習慣や、エピソードを書いていたけど、やっぱりひとりに深く斬り込むと印象に残る。その文庫本のエピソードは今となっては、ひとつも覚えていないし(苦笑

PS2:出版社が、東邦出版という会社で、マニアックなスポーツ本も多数出している会社だからこその一冊なのだなと改めて実感。今後、この会社の名前を覚えておこう。。。

虐殺器官

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ここのところ久しく小説なんて読んでないんですが、たまたま同時期にtwitter複数のフォロワーが取り上げていて気になり購入。

いずれも、エジプトやリビアの政情不安と照らし合わせての賞賛のコメント。

本屋で文庫を探していて気がついたんだけれども、そもそもSF系の文庫購入は人生初。今まで読んだのもミステリーや馳星周ばっかりだったので、慣れないジャンル。

という事もあったせいか、話の展開・スピード感や描写という点では正直物足りなさを覚えた。そりゃ、今まで読んでた本って、本屋のベストセラーになってたような小説ばかりなんで、大衆向けに作られてるし比較するのも違う気がする。戦闘場面や心理描写での引き込まれるような・・・なんというか臨場感はもうひとつ。

ただ、その不足感も飛ばしてくれるのは、何より驚いたのは、その未来の描写に対する現実感。今まで読んだ大衆的?なミステリーは良くも悪くもワイドショーの延長であったり、当時の時代・事件をテーマにした小説があったので、取材をすれば作れるかもという気がしていたが、下手な映画以上の未来感。これ凄い。人間の移動は全て国が抑えてるとか・・・etc。

エンディングも黒さよりは納得感を残してもらえたので良かったです。アメリカ人が主人公というのもハマった感はあります。あと、初めてカフカは実在する作家という事も知ったし、他にも哲学的な話やら文学的な話やら、wikipedeiaを見ながら雑学を増やさせてもらいました。

惜しむらくは筆者の他界。(合掌