虐殺器官

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ここのところ久しく小説なんて読んでないんですが、たまたま同時期にtwitter複数のフォロワーが取り上げていて気になり購入。

いずれも、エジプトやリビアの政情不安と照らし合わせての賞賛のコメント。

本屋で文庫を探していて気がついたんだけれども、そもそもSF系の文庫購入は人生初。今まで読んだのもミステリーや馳星周ばっかりだったので、慣れないジャンル。

という事もあったせいか、話の展開・スピード感や描写という点では正直物足りなさを覚えた。そりゃ、今まで読んでた本って、本屋のベストセラーになってたような小説ばかりなんで、大衆向けに作られてるし比較するのも違う気がする。戦闘場面や心理描写での引き込まれるような・・・なんというか臨場感はもうひとつ。

ただ、その不足感も飛ばしてくれるのは、何より驚いたのは、その未来の描写に対する現実感。今まで読んだ大衆的?なミステリーは良くも悪くもワイドショーの延長であったり、当時の時代・事件をテーマにした小説があったので、取材をすれば作れるかもという気がしていたが、下手な映画以上の未来感。これ凄い。人間の移動は全て国が抑えてるとか・・・etc。

エンディングも黒さよりは納得感を残してもらえたので良かったです。アメリカ人が主人公というのもハマった感はあります。あと、初めてカフカは実在する作家という事も知ったし、他にも哲学的な話やら文学的な話やら、wikipedeiaを見ながら雑学を増やさせてもらいました。

惜しむらくは筆者の他界。(合掌

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