決断できない日本

決断できない日本 (文春新書)。「沖縄はゆすりの名人」発言で一躍有名となった国務省元日本部長 ケビン・メアの著書。「自分の名誉のため」という表現で良く出るようにハメられたとのこと。

ハメられたは2章でくわしく書かれているが、本書が伝えているのはマスコミによる情報捜査であり、警察・沖縄県・国による責任転嫁ともとれる姿勢であり、補助金を巡る利権の話であり日本の問題を一側面から、泥臭いまで書かれている。

当事者でない以上、真実は分らないが官僚の責任国家の命運を読んだ人間としては、およそ事実だろうと感じる。ねつ造をした側の反論は読んでいないが、本に記載されている行動からすると弁解の余地は無い。

また、普天間は世界一危険な空港というが、基地問題がある中で事故が起きたがために言われているのは確かにそうだと思うし、農地の中に作った基地の周りに国・県が許可を出して住宅が建設され、やれ危険だ、やれ補助金だ、というのは確かにゆすりだ。(著者はゆすりという表現は一切していないようだが)。

原発の対応を巡っても情報も能力も無いというのは確かにその通りだと思うし、中国の軍拡も正直関心の外であったが問題視する理由が良く分ったし(そりゃ軍拡して何に使うかと言ったら恐喝なり、世界の政治を握るなり、アメリカの立場を奪うなりしかないわな)、日米同盟も知ることができる。

日米関係、沖縄の基地問題を知るにはちょうど良い一冊。お勧めできます。

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