不器用なドリブラー

不器用なドリブラー

永井秀樹。この名前を覚えている人がどのくらいいるのだろうか。正直、手にとって久々に思い出した名前。何で今頃、永井秀樹が本になるのか?それが第一印象。

Jリーグ創世記はチャラ男集団のヴェルディの中でも、チャラさを代表するキャラクターだった気がする。その後、記憶に残っているのはフリューゲルスマリノスでのプレー。永井を語る際にはドリブラーという言葉がいつもついてまわっていたが、一方で記憶に残る

ドリブルは少ない。スペースをつくドリブルからのスペースが記憶に残っている程度か。改めてYouTubeを探してみても、やはりプレーの動画は少ない。

ただ、あまりプレーヤーとして興味をひかれる存在であった訳でもないのに本を手に取ったのは立ち読みして以下を見たから。

 当時の試合は毎週水う曜日と土曜日に組まれていたが、ヴェルディ軍団には「土曜日、国立のホームゲームで勝利したら、メンバー全員ジュリアナ東京に集合」という約束事があった。(中略)。ヴェルディ軍団は入店待ちの行列は無視して登場し、ベンツ、ポルシェといった自慢の高級会社で店に横付けした。(中略)。とはいうものの、いざVIPルームまで来てしまえば、練習や試合など普段クラブハウスでしているような話題に終始した。

いわゆるJリーグバブルおよびそれに振り回された1選手の状況が描かれている本はほとんど見たことが無かった、という事が手に取った一番の要因。皮肉にも著者あとがきで以下の記載はある。

描きたかったのは「Jリーグバブル」と呼ばれた時代の熱狂の渦のなかで、ジェットコースターのようなサッカー人生を送ってきたスター選手の物語では無かった。「永井秀樹」というサッカー選手を通して絆の大切さ、そして諦めない心の大切さを描きたかった。

著者じゃないけど、。個人的には、これは違うと思う。強いて言えば、ジェットコースターのようなサッカー人生を、絆の強さ、そして諦めない心の強さで乗り越えた1選手の物語、と言ったとこだろうか。

万人にオススメする内容ではないけれども、サッカー書籍を幅広く読みたい方にはオススメかも。強いて言えば、これも合わせて読みたい。

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