フットボール・ラブ ~俺たちはサッカーをあきらめない~

フットボール・ラブ ~俺たちはサッカーをあきらめない~ (SHUEISHA PB SERIES)

個人的に好きな小宮さんの新著。前作、アンチ・ドロップアウトも良かった。本はNumberの長編インタビューといった展開で複数選手の物語が語られる。今回は

松田直樹

田中誠

古賀正紘

南雄太

カレン・ロバート

小澤英明

成岡翔

豊田陽平

小澤はさておき、他メンバーは皆、入団当初から騒がれていた選手たち。松田直樹については今年の不幸もあるし、過去にもインタビューはよく見ていたし、まぁ、なるほどな、という感じ。

個人的には古賀正紘成岡翔が興味深い。古賀正紘はそれこそ東福岡からグランパスに入団する時点で、Numberで加藤久からは未来の日本代表最有力と評されていたし、実際にユース代表にも入っていた。ただ、実際にプレーを見ると印象は薄く(生で見たのは、シドニー五輪のチームの立ち上げ?となったアルゼンチン戦)、Jリーグの敵プレーヤーとしても、そこそこの選手のイメージはあれど、その域を超えたイメージは無く、ずっと気になっていた。

成岡翔菊地直哉と並び、当時のユース代表の大黒柱で二人揃ってジュビロに入団した時はジュビロの黄金期はいつまで続くんだろうと思わされた。が、一学年上の長谷部の影に隠れて今やサッカーファンしか知らない存在になってしまった。

また、他のプレーヤーからのコメントからも浮かび上がるのは

・成熟したチームに入ることの難しさ

・自己主張の重要性

・自分の特徴を見失わないこと

メンバーに合わせようとする中で、自分の良さを見失ってしまい、消えてしまう。自分のやりたいプレーがあっても上手く主張できずに結果をあげることができない。特に3点目は難しい。自分の特徴を生かしつつプレーの幅を広げようとした結果、失敗する選手も多いし。

以前は伸びる選手のイメージとして、聞く耳を持ちプレーを柔軟に変えることができること!、というのが今までの知識から導き出した答えの一つだったが、この本で更にいくつか伸びる選手・伸びない選手のイメージを増やすことができた。そういう意味でノンフィクションの面白さだけでは無い、良い本でした。

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