サッカー本では久々のヒット。いや、過去最高かも。28年目のハーフタイムでスポーツノンフィクションにどっぷりとつかり、今まで数えきれなくなるほど、読んできたけれども、久々に読んで気持ちよくなる一冊。ワールドカップの結果は確かに良かった。一つの結果を複数の選手のコメントと自身の取材をもとに記載している構成も良い。そして不遇の時代から長年取材を続けた事による選手との信頼関係も素晴らしい。
ただ、何より女子サッカーに対する、選手に対する愛情にあふれている。
不遇の時代から取材を重ね、女子サッカーのブームに一喜一憂し、ピッチの外から見守り続けてきたからこそ書ける一冊。
ドイツ戦後のテレビのインタビューの収録前に「真理さんやったよ!!」と語った丸山。
ワールドカップ終了後のドイツの空港のお土産屋で「予定より長くなっちゃって、すいませんね~」と声をかけた近賀。
選手との信頼を感じさせるエピソードは事足りず、それでいて、著者の存在が邪魔に全くならない文章。そして選手の信頼関係やチームワークもどこの雑誌より、本よりも詳しく深く書かれている。
文庫版が出るほどに売れて欲しい一冊。今年のMyBookランキングNo1は確定です。