サムスンの決定はなぜ世界一速いのか

サムスンの決定はなぜ世界一速いのか (角川oneテーマ21)

振り返るとここのところ、企業のノウハウ本?が多いですが、これまたタイトルに釣られて買ってみた本。

サムスンの売り上げが日本の大手家電メーカの合算よりも遥かに高いのは新聞で語られている事もありちょっと気になっていたが、一方で、品質が悪かったイメージも残っていた。

が、過剰品質、という言葉に表されるユーザには判別不可能な品質がそのすべてを表している。また、中島聡さんが言う、カタログ作りの日本の家電メーカー、ものを作るユーザを見た製品をおもてなしの心で作らなければいけないという、同じ意見が、サムスンでの仕事を通じて出てきている点は面白い。

また、辻野さんが言う、ソニーの遺伝子ならぬ、松下幸之助さんの遺伝子がサムスンにあるのでは、という考察も興味深い。

優秀な会長の英断によるIMF危機の前に舵を切っていたこと、サムスンに落ちたので国家公務員になると言われるほど集まる優秀な頭脳、海外では徹底的に現地に溶け込ませその土地のディープスマートを獲得させる戦略、大リストラで排除した官僚的な文化、いずれもなるほどと思わされます。

一線で働いてきた方々が語る言葉には、多くの共通点を感じる今日この頃。

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