観察眼

観察眼 (角川oneテーマ21)。大阪出張での新幹線での退屈しのぎに購入。サッカー選手が本を書くケースは多いけれども、過去に例が無い共著。そして今野が書くのはおそらく初めてでは。。。

遠藤は信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題を書いているが、この本自体も中澤著 不屈との対比もあり非常に面白かったので購入。

今野自身のイメージは

①U-20の頃から読みは非常に良い、インターセプトの上手いボランチ。フル代表に入れる逸材だと騒いでましたw.

②テクニックもボランチを出来る程度にはあるものの、パスは直近の選手にしか出さず、やや難あり。

③正直、センターバックとしても今ひとつ印象が薄い。Jで見ててもうならさせられる場面は少ない

イメージでした。本を読んでみて分かるのは、サッカーをそもそも知らないでプレーしていたと言うエピソードの多さ。城福監督より色々とイロハを教わりそれまでは感覚でプレーしていたとの事。②の通りなるほど、やっぱりそういう事か、と感じる反面、一方で守備のポジショニングは良かった印象が意外な一面を知ることができた。これだけでも買った価値はあり。

また本を読んでいて全般的に感じたのは、ほどほどの深さの記述もあれば、相当にマニアックな内容もあった点。例えば

「ミスプレーの一つ前のシーンを考える」という項。パスが弱かったために、相手にツメられる時間を与えてしまいボールを失った場面。悪いのは奪われた選手か、パスを弱く出してしまった選手か。こういう見方は正直、しているのでふ~んと感じる。でも、文書として大半の人はあまり意識してない局面だと思う。(自慢がしたい訳で無い)

かと思えば以下のように文章だけでは想像しづらいが、細かい話もある。

こちらのトップ下の選手の左横にボランチが入っていくとする。そうすれば相手の右MFがケアに来ます。その時にこちらのサイドバックがオーバーラップして、相手のサイドバックを引き出すんです。そうしたら相手のサイドバックの裏にスペースができる。そこにFWが走りこんでパスを流すだけで、相手のセンターバックの一人を引き出せる。そうしたら当然、相手のゴール前中央はセンターバック一人と逆サイドのサイドバックだけ。そこを付けばチャンスになるんです。

前のフレーズには一切ふ~んでやりすごした自分も、上記の文章は頭の中にフィールドを描いて選手を配置してと、理解に時間がかかった。逆にそれだけの内容が書かれている発見。

あと、こんな一文もレッズサポ的に惹かれましたw.

両サイドに開いて「そこからやりますよ」っていうのは機械的に感じてしまう。それに外に張らせていながらそこまでボールが届かなかったら、一人少ない状況で戦っているのと同じ事になってしまう。しかも、外で張っている選手は「ボールが来たらやればいい」という感じになってしまう。そういう「形ができた時」しかプレーできないっていうのはサッカーじゃありえないこと。

2011年の浦和レッズは外から見ていて、そんな感じだった。

対談が短いのは残念ですが、今までの二人の露出度を見ても(遠藤>>今野)、程良くまとまった一冊でした。

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